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第 14 回 | ![]() |
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般若 泰樹氏 日本伝統工芸会正会員 プロフィール
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高岡市にある茶道具・銅器製造「般若鋳造所」に在籍する般若泰樹さん。吹分(ふきわけ)技法の継承者として知られる般若保氏の長男として生まれ、幼い頃より般若鋳造所の一族、父の仕事を日常の中で見つづけること十数年。関西大学工学部に進学、卒業後にはフイルム加工会社に勤めるものの、なるべく若いうちに鋳造の仕事を覚えようと2年後にはご一族の会社へ。般若鋳造所の方々は、伝統工芸士、日本工芸会正会員と、みなさん金工の世界でご活躍されている方々であり、泰樹さんご自身も鋳金作家として活躍。高岡の地場産業の特色でもある分業体制の中で専門に仕事をすることは、かえって自分の得意分野を伸ばすことができると言います。 茶道具のひとつ茶釜は、いかに軽くきれいなボディをつくるかだと、泰樹さんは話します。ボディのラインが1ミリ違うだけで、全体の形が違ってくる。昔の鋳物師たちは、今より設備が整っていないにもかかわらず、良いものをたくさんつくっているわけで、昔の人の作品を正確に再現できるようになること、その日々の積み重ねが自分の良い作品づくりにつながっている。自分は性能の良いものをつくりたいし、正しくものをつくることが美しさだという、まさに職人気質の信念をもって泰樹さんは作品づくりに取り組んでいます。それが泰樹さんの作品に現れている個性なのでしょうか。 平成15年から2年、鋳金の人間国宝齋藤明氏による伝承者要請研修会に参加し、蝋型吹分鋳造を修得。異なる金属を別々に溶かしてひとつの鋳型に流し込むことで、それぞれの金属が微妙な模様を描いて混ざりあい、曲線を表面に創り出すのが吹分技法の特長で、金属との対話ができてこその技といえます。本年5月、日本伝統工芸富山展にて、泰樹さんの作品「吹分盤」が最高賞の日本工芸会賞を受賞。今後も泰樹さんの益々のご活躍が期待されます。 |
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![]() 葡萄釜 第36回伝統工芸日本金工展 東京都教育委員会賞 ![]() 吹分盤 第47回日本伝統工芸富山展 日本工芸会賞 |
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